建設コンサルタントのすすめ方

第5回配信 「不動産会社の選択」

「免震賃貸住宅」と「プレストレストコンクリート造」という強烈なメッセージを兼ね備えた賃貸事業が始まります。その際に、入居者募集やその後の家賃管理を任せるに足る不動産会社を選択する段階になりました。賃貸事業を進めるにあたり、不動産会社を先に決めるべきか設計事務所を先に決めるべきかは、それぞれの立場での言い分があるでしょう。しかしながら、今回は長く戦えるためのソフトではなく、ハードを優先し設計事務所を先行して決定しました。

設計がある程度進んだ段階で、施主側・設計事務所側と当方から、それぞれ4社の不動産会社に声をかけ一定の業務内容に対する見積合わせを行いました。

不動産会社を選ぶコンペで最もやってはいけない選択基準は、予想家賃を一番高く設定した会社を安易に選ぶことです。仕事欲しさに高めの家賃を提示して事業主の歓心を得るやり方が通ってしまう事が多々見受けられますが、ここはひとつその不動産会社の実力をじっくり見極めることが肝要です。

また、家賃収入の不安定さを恐れ「家賃保証」という甘言にのることも気を付けたいポイントです。10年一括借り上げといっても所詮2年ごとに保証家賃の見直しがされること。定期的なメンテナンスを強制されられること。保証料が10%以上も取られるために、相場以下の家賃にならざるを得ないこと。このからくみでは、銀行と不動産会社のために、借金までして事業を起こした理くつになります。

今回見積比較した結果は・・・
A社は家賃管理業務費用を通常の5%から3%に下げてきました。また、家賃設定にあたっての調査手段を公開して情報力の強さをアピールしてきました。
B社は家賃保証にのみ営業手段がない会社でした。
C社はデザイン性のある物件を丁寧に取扱う会社でした。ここも、家賃設定について様々な分析をおこなうことをしっかり伝えてきてくれました。
D社はカード決済で家賃を支払わせる滞納家賃解消の方法を伝授してくれました。

その結果、設計ポイントを明確にそして丁寧に顧客に対して伝えられることが期待できるC社をパートナー不動産会社としました。

エントランス予想図

港南Sマンション新築工事の資料(抜粋)